所得税の準確定申告について
死亡日から4ヶ月以内に申告する
被相続人が自営業者や貸家業などの場合、
亡くなった日から4ヶ月以内に、
その年の1月1日から死亡日までの個人の所得を計算し、
被相続人の住所地の所轄税務署に申告して
所得税を納付しなければなりません。
さらに1月1日から3月15日までの間に死亡した場合は、
前年分の所得に対する確定申告も4ヶ月以内にあわせて行います。
被相続人がサラリーマンなどの給与所得者の場合は、
死亡退職した時点で
勤務先がその年分の給与に関して年末調整を行うのが一般的です。
もしも年末調整されていない場合には準確定申告をして
源泉徴収税額の還付を受けます。
また、サラリーマンであっても次のような場合には準確定申告、
死亡日時によっては前年の確定申告が必要です。
1 年収2000万円以上であるとき
2 給与所得や退職金などの所得以外の雑所得が20万円以上あるとき。
3 2カ所以上から給与を受け取っていたとき。
4 医療費控除を受けるとき。
5 住宅借入金等特別控除を受けているとき。
申告、納税は法定相続人が行う
準確定申告は法定相続人が行います。
相続人が複数いるときには原則として相続人が連名で
1通の準確定申告書を提出します。
所得税は相続人が負担しますが、
相続人が複数いるときには
相続分により按分して計算した額を各相続人が納めます。
遺言による指定相続分がある場合には
それに従って按分した額になります。
準確定申告の時点で相続分が確定していない場合には
法定相続分により按分した税額を各相続人が納付します。
各相続人が負担した税額は相続財産から債務として控除されます。
相続放棄をした人がいる場合は、
相続放棄をした人以外の相続人が準確定申告及び納税をします。
還付金は相続税の対象になる
準確定申告により還付された還付金は
「未収金」として相続税の対象となります。
相続財産のリストアップの際には忘れないようにします。
申告に必要なもの
準確定申告の用紙は税務署で手に入れます。
(確定申告の用紙に「準」の文字がスタンプで押されています)
申告に必要なものは、「申告用紙」と「付表」のほか、
被相続人が自営業者の時には、
1 被相続人の死亡日までの決算書
2 所得の内訳書
3 生命保険、損害保険の控除証明書
4 医療保険の領収証
5 相続人全員の認印
などです。
給与所得者の場合には1が死亡日までの源泉徴収票になります。
なお、所得税の控除の対象となる社会保険料、生命保険料、
損害保険料、医療費などは死亡日までに支払ったものになります。
死亡後に支払った医療費の取扱は?
死亡後に支払った医療費は支払った人が
被相続人と生計を同一にしていた場合には、
支払った人の確定申告で医療費控除を受けることができます。
また、支払った人が相続人であれば
医療費を相続税の課税価格の計算上、債務として控除できます。