栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室室長の石川です。
相続問題に絡む「トラブル事例」と
(もしあれば・・)その対処方法についてお伝えします。
今回は「争族の結果、会社倒産!?」です。
遺産相続の対象財産には
自社株や事業用資産(店舗、営業用設備、在庫商品)等も含まれますが、
子が複数いる一方で、
財産のほとんどが自社株や事業用資産の場合には特に注意が必要です。
これらの財産を会社の後継者である相続人に
すべて相続させてしまうと
他の相続人が相続する財産がほとんどないため、
争いになりやすくなります。
亡くなった人が遺言をのこしていない場合、
遺産分割協議がまとまるまでは1株1株が法定相続分による
共有状態となります。
社長である父親が
長男を会社の後継者に指名していたケースを
想定します。
相続人が長男、二男、三男の場合、
父親が一人で持っていた株式は、
3人が3分の1ずつ共有している状態になります。
二男と三男が結託すれば
議決権の3分の2を握れるため、
長男を追い出すこともできてしまいます。
長男が会社の取締役であれば、
長男を解任し、二男三男が自ら会社の取締役になって
その会社を乗っ取ることができるのです。
※取締役の解任は特別決議で可能
(議決権の過半数に相当する株主が出席し
その3分の2が賛成すればOK)
会社が創業者一族の相続争いに巻き込まれてしまうと
従業員の士気が下がります。
業績が悪化して取引先や金融機関からも愛想を尽かされ、
最悪の場合には倒産してしまいます。
上記のようなケースでは
社長である父親は自分が生きている間に
後継者である長男に自社株や事業用資産を
生前贈与しておくべきでした。
もしくはその旨の遺言をのこしておくべきでした。
二男三男の相続分については
一定程度計画的に貯金しておいたり、
生命保険を利用してきちんと確保しておくべきでした。
長男は長男で二男三男に支払う代償金を
きちんと準備しておくべきでした。
以上、栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室でした。
2018.05.09記
「兄弟なんだから大丈夫」
そんなこと誰が分かるのでしょうか?
専門家の立場としては、
相続は何があるかわからない。
「性悪説」で臨むべきです。