「法定相続分は譲れない」です。
「相続が争族になってしまった」という話はたまに聞きます。
この時にポイントなるのは法定相続分です。
具体的には以下の通りです。
配偶者と子が相続人の場合、
配偶者2分の1、子供全員で2分の1。
配偶者と父母または祖父母が相続人の場合、
配偶者3分の2、父母(祖父母)で3分の1。
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、
配偶者4分の3、兄弟姉妹で4分の1。
法定相続分はかなり強力な権利です。
ただ、遺産分割協議においては相続人は
必ずしも法定相続分に従う必要はありません。
分割可能な現金預金ならともかく、
不動産や事業用の資産については
相続人の中の誰か一人のものにしないと
何かと不都合があると思います。
遺産分割協議で相続が円満に終結することは
むしろラッキーだと思った方がよいです。
当たり前のことではないのです。
遺産分割協議がまとまらず
家庭裁判所の調停や審判に持ち込まれることになると、
結局家庭裁判所は
法定相続分を基準に調停を進めたり、
審判を下すことになります。
相続財産が現金預金だけなら
法定相続分で分配することも可能でしょうが、
不動産や事業用資産等の
分配が難しい資産の比率が多いような場合には、
法定相続分通りに分配することは一苦労です。
たとえば、不動産や事業用資産を引き継ぐ相続人が
不動産を担保に借り入れをして、
借り入れた金銭を他の相続人に法定相続分で
分配する方法が多くとられます。
この場合、不動産や事業用資産を引き継ぐ相続人には
借入金が重くのしかかります。
いまは「争族」はお金持ちだけの話ではありません。
司法統計年報によれば、
2013年の相続紛争の32%は遺産総額1000万以下の方です。
以上、栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室でした。