栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室室長の石川です。
本日は相続に伴う事務手続きの具体的な中身である名義変更について
ご説明します。
このテーマに関しても専門家としてかなり「力」が入ります。
相続が確定したら速やかに名義変更を
遺産分割協議により誰が何を相続するか、相続財産が確定したら、名義変更の手続が必要なものはできるだけ早く名義変更の手続をします。
不動産の名義変更手続
登記手続には法定の期限はありません。
しかし、いつまでも被相続人の名義にしておくことは、たとえば買い手が付いてすぐでも名義を移転して欲しいと求められたとき、相続による名義書換を完了した後でないと相手への名義移転ができません。
フットワークが大変重たくなります。
せっかくの買い手も逃げてしまうかも知れません。
銀行融資を受けるために当該不動産に担保権を設定したいというときも相続による名義書換が完了していないと担保権の設定登記ができません。
それだけではなく、相続人への名義書換が未了の間に次の相続が発生してしまったようなときには関係相続人の数が増えてしまって名義書換にかかる手間と時間は倍加してしまいます。
伸ばせば伸ばすほど必ず面倒になっていく不動産の名義書換、とにかくお早めに済ませてしまうことを強くお勧めします。
※チェックポイント!!!
不動産の名義書換や相続税の申告をご自分でやっている方をたまに見かけますが何回も何回も役所を往復し、何ヶ月も時間をかけてやっとこさ仕事をやり終えたと言う感じのようです。
専門家がやれば時間労力はおそらく10分の1程度で済むでしょう。「時は金なり」です。他にやらねばならないことは山ほどあるはずです。大切な時間をわずかな料金で買ってしまってその分をもっと有意義にお使い下さい。不動産の名義書換は司法書士へ、相続税の申告等は税理士へ、ご依頼されてしまうことをお勧めします。
借金(債務)の承継手続
銀行ローンなどの債務を承継した相続人は債務者の変更手続をしなくてはなりません。取引金融機関の「債務者変更申込書」に必要事項を記載し、被相続人の戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書等をそろえて提出します。
預貯金の名義変更手続
相続による口座の名義変更手続は金融機関によって違いがあるので事前に問い合わせが必要です。
一般的には下記の書類が必要です。
□ 各金融機関所定の名義変更依頼書
□ 被相続人の戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
□ 預貯金通帳、キャッシュカード
□ 遺産分割協議書(遺言があれば、遺言書の写し)
□ 相続人全員の戸籍謄本
□ 相続人全員の印鑑証明書
株式・債券の名義書換
所有株式の会社、あるいはその会社の株式業務を行っている投資信託銀行、株式を保護預かりにしている場合にはその証券会社等に連絡をして「株主名義書換請求書」を送ってもらい、必要書類と共に提出します。一般的には下記の書類が必要です。
□ 信託銀行等所定の株主名義買換請求書
□ 信託銀行等所定の共同相続人同意書または遺産分割協議書
□ 源泉分離・申告分離課税に関する死亡届
□ 被相続人の戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
□ 相続人全員の戸籍謄本
□ 相続人全員の印鑑証明書
□ 株券等
借地権・借家権
貸主に申し出て、契約書の契約者の名前を変更してもらいます。
契約書を新たに作り直す必要はありません。
先方が変更を了承しないときにはそのままにしておいても構いません。
借地権・借家権は当然に相続されます。相手の承諾など不要です。
自動車の名義書換
陸運事務所に対して行います。一般的には下記の書類が必要です。
□ 移転登録申請書
□ 自動車検査証(有効期限内にあるもの)
□ 自動車検査証記入申請書
□ 自動車賠償責任保険証明書
□ 被相続人の戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
□ 名義取得する相続人の戸籍謄本及び住民票
□ 名義取得する相続人の印鑑証明書
□ 遺産分割協議書の写し
電話のとき加入権の名義書換
NTTに対して行います。一般的には下記の書類が必要です。
□ 電話加入継承届
□ 被相続人の戸籍(除籍)謄本または死亡診断書の写し
□ 名義取得する相続人の戸籍謄本
□ 名義取得する相続人の印鑑
生命保険契約・損害保険契約の名義書換
被相続人が契約者となっていた生命保険契約や損害保険契約で保険事由が発生していない契約は権利を承継した相続人の名義に変更しなくてはなりません。(被相続人(夫)が妻の死亡を保険事由とする生命保険をかけていた等のとき。妻は存命中なので保険の支払いはない。)一般には下記の書類が必要。
☆生命保険のとき、生命保険会社に請求。
□ 生命保険会社所定の名義変更請求書
□ 保険証券
□ 被相続人の戸籍(除籍)謄本
□ 名義取得する相続人の印鑑
☆損害保険のとき、損害保険会社に請求。
□ 損害保険会社所定の権利承継承認請求書
□ 保険証券
□ 被相続人の戸籍(除籍)謄本
□ 名義取得する相続人の印鑑
上記がいわゆる「相続に伴う事務手続き」といわれるものです。
集めなくてはならない書類の数も結構多くて、その提出先も多岐にわたり面倒です。
自分でやるか専門家に依頼するかは第一印象で決めて頂いて結構だと思います。
ご自身でやれそうなことはご自身でおやりになって、無理かなぁと直感的に感じた部分は専門家へ依頼する。そのやり方の方がコストの面からも、そして何よりご遺族様が「やれるところまでは自分でやった」という達成感をお感じなれる意味でもお勧めな方法です。
以上、栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室でした。
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