相続の基本知識6-1「遺留分」について(栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室業務日報)

栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室室長の石川です。

 

本日は「遺留分」についてご説明します。

遺留分減殺請求というのは滅多に見かけませんが、あまりないからどうでもいいというわけではありません。相続人は是非押さえておきたい知識です。

 

 

遺留分とは?

最低限度の相続分を保証する遺留分

「遺言による相続は法定相続より優先される」という大原則がありますが、遺言の内容によっては配偶者や子供等の遺族の、法定相続人としての権利と利益が侵害されてしまうこともあります。

 

たとえば、「全財産を長男に譲る」などと特定の子だけに相続させるという内容や法定相続人以外の第三者に「全財産を譲る」という内容の遺言があった場合、本来、遺産を受け継ぐ権利のある人が全く何も受け取れないことになってしまいます。

 

そのために民法では遺族が相続できる最低限度の相続分を

「遺留分(いりゅうぶん)」と言うかたちで規定しています。

 

遺留分が認められている範囲

遺留分は配偶者、直系卑属(子、孫)、直系尊属(父母、祖父母)について

認められています。

被相続人の兄弟姉妹には認められていません。

遺留分の割合はだれが相続人であるかということとその組み合わせによって

異なります。

遺留分は直系尊属のみが法定相続人のときには法定相続分の3分の1、

その他の法定相続人のときには法定相続分の2分の1となります。

 

配偶者のみ 全遺産の1/2

 

配偶者と子1人

配偶者 全遺産の1/4

※遺留分 1/2 × 法定相続分 1/2

子  全遺産の1/4

※遺留分 1/2 × 法定相続分 1/2

 

配偶者と子2人 

配偶者 全遺産の1/4

※遺留分 1/2 × 法定相続分 1/2

  

子1人あたり 全遺産の1/8

※遺留分 1/2 ×法定相続分1/2×1/2

 

配偶者と被相続人の父母

配偶者 全遺産の1/3(2/6) 

※遺留分 1/2 × 法定相続分 2/3

父母1人あたり 全遺産の1/12

※遺留分 1/2 ×法定相続分1/3×1/2

    

子1人   全遺産の1/2

    

子2人  子1人あたり 全遺産の1/4     

※遺留分 1/2 ×1/2

 

被相続人の父母のみ 

父母1人あたり 全遺産の1/6

※遺留分 1/3 ×1/2

 

 

以上、栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室でした。

 

 

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