栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室室長の石川です。
相続問題に絡む「トラブル事例」と(もしあれば・・)その対処方法についてお伝えします。
今回は「相続登記を放置してしまうとどうなるかpart2」についてです。
相続登記を放置したことによって起こりうるデメリットとしては、
売却、借り入れに支障をきたす可能性があるにとどまりません。
相続人の中に借金を滞納している人がいた場合、
その相続人の法定相続分が債権者によって
差し押さえされてしまうことがあります。
相続人のうちの一人からでも、
法定相続分を各持分として相続人全員名義で
相続登記をすることが可能です。
この場合、遺産分割協議書も他の相続人の委任状も
印鑑証明書もいりません。
他の相続人は自分がまったく知らない間に
相続登記がされてしまうのです。
借金を抱えた相続人が債権者の求めに応じて
相続人全員名義の相続登記を行い、
自分の持分を債権者に差し押さえをさせるというケースもあり得ます。
悪質な債権者なら、その差し押さえをカードにして
自分に有利な債権回収を図ることだって可能です。
さらには債権者は金を貸している相続人も含めた相続人全員に
まったく知られることなく、
法定相続分による相続登記をしてしまうことも可能です。
相続登記をした後に金を貸している相続人の持分を差し押さえるのです。
これを債権者代位による相続登記といいます。
後日、勝手に法定相続分による相続登記が入れられて、
一部の相続人の持分が差し押さえられていることに気づいて、
急いで遺産分割協議をして、
借金を抱えた相続人以外の相続人が相続する旨の
遺産分割協議をおこなったとしても、もはや後の祭りです。
法律上「遺産分割協議は相続開始時にさかのぼって効力を生じるが、
第三者(ここでは債権者)の権利を害することができません」
とされています。
このことは既に金を抱えた相続人以外の相続人が
相続する旨の遺産分割協議が成立していたが、
相続登記を怠っていた間に一部の相続人の債権者によって
上記のようなことがなされてしまった場合でも同様です。
相続が発生したら速やかに遺産分割協議をし、
速やかにその結果を登記しておくべきです。
以上、栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室でした。
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