医療費控除の手続について
医療費控除の計算
{(死亡した年の1月1日から死亡日までに払った医療費の総額)
-(保険等で補てんされる金額)}- 10万円= 医療費控除額
準確定申告によって「医療費控除」を受ける場合
通常の医療費控除は、税金を納めている本人とその家族(配偶者および生計を一にしている親族)が1年間に支払った医療費を対象にしていますが、
亡くなった人の医療費控除の場合は被相続人が死亡した年の1月1日から死亡した日までの本人とその家族が支払った医療費が対象になります。
その間に実際に支払った医療費(自己負担額)の総額が10万円以上(年間所得が200万円以下の場合には所得金額の5%以上)の場合に、
準確定申告で医療費控除が受けられます。
医療費控除の対象となるのは10万円(年間所得が200万円以下の場合には所得金額の5%以上)を超えた部分で200万円を最高限度額とします。
医療費控除額は所得金額から差し引かれる金額であり、
医療費控除額がそのまま還付されたり、
所得税額から差し引かれるわけではありません。
所得金額から医療費控除額を差し引くことで
所得税の課税金額(所得金額)が低くなるので
その分所得税が安くなるという仕組みです。
医療費控除の申告には医療費の領収証を準確定申告の申告書に添付するか、
準確定申告書提出の際に提示する必要があります。
また、医療費の額が高額な場合には明細書の添付または提示が必要です。
税務署には医療費控除の手引きや明細書の用紙も用意されているので
準確定申告の用紙と一緒に入手しておきます。
控除の対象となる医療費
1 医師、歯科医師による診療や治療の費用
2 治療、療養のための医薬品の購入費
3 治療のためのマッサージ、指圧、鍼灸などによる施術費用
4 療養上の世話を依頼した保健師や看護師などの費用
5 介護保険制度のもとで提供されるサービスのうち
指定介護老人福祉施設サービスの介護費及び食費として支払った額の
2分の1相当額、一定の居宅サービスの自己負担額
6 必要とされる通院費用、入院の部屋代、医療用具の購入代
7 医療施設などに急患やケガなどで運ばれたときの費用
8 6ヶ月以上の寝たきりの人のおむつ代で
医師が発行した「おむつ使用証明書」があるもの
など・・・
医療費から差し引かれる項目
1 健康保険から支給された療養費などの給付金、高額療養費など
2 生命保険や損害保険から
医療費の補てんを目的として支払われた保険金、入院給付金など
3 医療費の補てんを目的として支払われた損害賠償金
など・・・
医療費控除に関して、その他の注意点
健康増進や疾病予防のための医薬品の購入費や、
健康診断の費用は医療費に入りません。
死亡診断書代は、医療費控除の対象ではありません。
従って、入院費に含まれている場合には、入院費から差し引きます。
しかし、死亡診断書代は相続税の計算上は
葬式費用として相続税の課税金額から差し引くことができます。
いずれにしろ迷ったら税務署や税理士に問い合わせをして下さい。