遺産内容の把握作業に引き続き、
財産目録の作成を行えば、
その後の手続はすごくスムーズになるはずです。
よりスムーズな手続の進行をお望みなら、
まずは「遺産内容の把握」にとどまらず、
是非「財産目録の作成」作業まで行うことをお勧めいたします。
相続財産を調べて一覧表を作る。
遺産を分割するにも相続税の計算をするにも
相続財産の内容が明らかになっている必要があります。
土地、建物、預貯金、有価証券などのプラス財産とともに
借入金、未払い金等のマイナス財産もすべて種類別にして
一覧表を作ります。
ただし、評価額については
複雑な計算方法をとる財産もありますので
税務署や税理士等の専門家にお問い合わせをして
確認した金額を記載した方がよいと思います。
プラス財産について
・土地、建物
土地は自宅敷地、貸付地、事業用地、農地、私道など。
建物は自宅建物、貸家など。
所在地は登記簿どおりに記入しておくと登記や相続税申告の時に便利。
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種類 |
所在地 |
面積 |
評価額 |
その他 |
土
地 |
自宅敷地 |
宇都宮市○町△―☆ |
340.5㎡ |
4000万円 |
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建
物 |
自宅建物 |
宇都宮市○町△―☆ 家屋番号 △―☆ |
68.50㎡ |
500万円 |
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・有価証券・株式
公社債、証券投資信託、貸付投資信託、株式など。
証券会社、銀行等の取扱機関に取引明細書を依頼する。
種 類 |
数量 |
評価額 |
その他 |
公社債 ○○証券※※支店 |
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100万円 |
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株式 (株)☆☆ |
500株 |
120万円 |
取引相場 |
・預貯金
銀行預金(普通、定期、当座)、郵便貯金(通常、定期、定額)など。
通帳で口座番号を確認し、
金融機関に被相続人の死亡日時点の残高証明書を発行してもらう。
支店、口座番号も記載する。
預け先 |
種 類 |
口座番号 |
金 額 |
その他 |
○○銀行※※支店 |
定期 |
123456 |
200万円 |
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○○銀行※※支店 |
普通 |
3256478 |
30万円 |
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・生命保険金・退職手当金
生命保険会社から支払われる死亡保険金、
勤務先から支払われる退職手当金等。
保険金が支払われず契約継続するものはここには記載しない。
「その他」にリストアップする。
種 類 |
契約先 |
証券番号 |
受取人 |
金額 |
生命保険金 |
○○生命 |
3456 |
山本幸子 |
500万円 |
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・その他
自宅にあった現金、家財道具一式、定期金(個人年金)に関する権利、
確定申告の還付金(前年分)、準確定申告の還付金、医療費控除の還付金、
給与・賞与の未収金、書画骨董、貴金属宝石、自動車、電話加入権、
ゴルフ会員権など。
生命保険金について、
生命保険契約に関する権利(被相続人が契約者となって保険料を
負担していたが、例えば被相続人の妻の死亡により保険金が
支払われる契約で、まだ妻が生存しているので保険金が
支払われない場合等)もここに記載すべき。
被相続人が死亡する前に医療費の支払いのためなどに、
個人の預貯金口座から家族が引き出した現金があれば
必ずリストアップする。
種 類 |
契約者 |
評価額(金額) |
その他 |
現金(自宅にあったもの) |
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35万円 |
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家財道具一式 |
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50万円 |
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生命保険契約 ○○生命 |
被相続人 |
調査中 |
権利を相続 |
電話加入権 |
被相続人 |
5万円 |
山本幸子が相続 |
マイナス財産について
借入金(銀行ローンなど)、未払い金(クレジットで購入し、
支払期日が来ていないものなど)、未納分の税金、
死亡後に支払った医療費、葬祭費用など。
種 類 |
評価額(金額) |
その他 |
借入金(ローン)※※銀行☆☆支店 |
350万円 |
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住民税未払い分 |
5万円 |
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葬祭費用 |
300万円 |
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準確定申告による納税分 |
10万円 |
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計 |
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ここまでできれば理想的です。できていなくても何の問題もありません。
ただ、財産目録があれば遺族の方にとってもその後の手続は本当に楽です。
我々専門家が手続に着手するに当たっても
財産目録があればたいへん助かります。