遺言の中での財産特定

栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室室長の石川です。

 

相続に関するやや細かい知識を書いていきます。

今回は「遺言と相続させる財産特定」に関してです。

 

財産との特定が不十分な遺言でも有効か?

 

遺言の解釈に関する一般的な考え方

遺言には必ず記載しなければならない事項が法律で決められています。

また遺言によってなし得る行為も法律によって定められています。

しかし、些細な誤りがあるだけで遺言を無効としたり、

真意と異なることが明らかな解釈をして

遺言者の最後の意思を無視してしまうことは妥当ではありません。

遺言者の意思解釈にあたっては、

遺言書に表示された文字に拘ることなく、

遺言者の真意を合理的に探求することが大切です。

些細な誤りにとらわれることなく、

できるだけ適法有効なものとして解釈すべきであるとされています。

(最高裁判例 昭和58年3月8日他)

 

財産の特定が不正確な遺言

 

例えば、

「栃木県宇都宮市一ノ沢町285番地28の物件は長男Aに相続させる」

という内容の遺言書について

1.土地のみを指すのか

2.建物のみを指すのか

3.土地と建物の両方を指すのか

文言上は不明確です。

 

ただ、遺言による遺産分割の指定を行っているわけですから

不明確だから無効とするわけにはいかないでしょう。

 

真意は上記1~3のいずれか、

遺言書のその他の記載との関係や遺言者が残したその他の資料、

遺言者の生前の言動などとともに慎重に判断することになります。

 

 

ただ、読んだ人が解釈に迷うような遺言は

最初から作成すべきではないと考えます。

 

少なくとも公正証書遺言であればこのような事態を避けることができます。

 

 

 

以上、栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室でした。

 

 

 

 

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