栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室室長の石川です。
相続に関するやや細かい知識を書いていきます。
今回は「遺言書の誤記」に関してです。
遺言書に誤記があった場合、どうなるのか?
法律上記載しなければならない事項に誤記があった場合
公正証書遺言の場合には考えにくいのですが、
誤記の加除変更方法は、自筆証書遺言の場合には
特に重要な問題になります。
自筆証書遺言の加除変更は、遺言者がその場所を指示し、
これを変更した旨を付記して特にこれに署名をし、
かつ、その変更の場所に印を押さなければ、
その効力を生じません。(民法968条1項)
遺言は記載の有効要件もかなり厳密ですが、
その加除変更の方法もかなり厳密です。
(自筆証書)
遺言における記載方法の有効無効についての具体例
1.日付
・日付の記載を完全に欠く遺言は無効
・日付の記載は「年月日」を特定する必要があり、
「大正5年1月」とのみ記載された場合や
「昭和40年7月吉日」と書かれたものは無効。
・複数の日付が書かれている場合には特段の反証がない限り、
後の日付を遺言の日付を認める。
2.氏名
・氏または名だけ記載された遺言であっても
遺言者本人と明確に示されうるならば遺言は有効である。
・氏名は戸籍と同一である必要はなく、日常用いている通称、
雅号、ペンネーム、芸名、屋号などでも、
それによって同一性が示されるのであれば遺言は有効。
3.押印
・遺言者の病床の側にいた者が依頼者の依頼によって押印をした場合、
その遺言は有効。
・印鑑は実印である必要はない。認め印でも有効。
・拇印も押印として有効。
以上、栃木・宇都宮の相続手続何でも相談室でした。